目次

1.機能性表示食品とは1, 2

機能性表示食品とは、消費者庁からこのように説明されています。

事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。

引用:「機能性表示食品」って何?|消費者庁

元々、日本において、特定保健用食品 (トクホ) 制度があり、これは国が審査をして、消費者庁長官が許可して健康食品の効果効能の表示が認められたものです。しかし、この制度は中小企業にはハードルが高すぎて、行うことが難しい制度でした。そこで政府は平成27年4月に新しく「機能性表示食品制度」を開始し、食品の機能性・安全性の向上に努めました。

2.機能性表示食品の届出に必要となる資料作成2

この章では、機能性表示食品を届出る際に、必要になる項目を説明します。

2.1.一般消費者向け情報

この部分は、実際に機能性を評価する臨床試験などの資料が届出を行うに当たって、有効性や安全性が適切に評価されているかを確認する章になります。詳しい内容は次章以降で詳しく記載します。

2.2.安全性に係る事項

この事項に関しては、申請する健康食品の安全性を記載する事項になります。健康食品はあくまでも食品であって医薬品ではありません。医薬品のように「~と一緒に飲まないでください」のように記載することが難しくあります。そのため、機能性関与成分と医薬品との相互作用や、申請する健康食品に含まれている成分通しの相互作用などを、届出をする企業の責任において評価する必要があります。例えば、機能性表示食品で健康被害があった場合、厚生労働省や消費者庁が責任を取るのではなく、届出を行った企業側が責任を取ることになります。また専門知識を持たない一般消費者が理解できるように、わかりやすい言葉に置き換えた情報も必要になります。

2.3.生産・製造及び品質管理に係る事項

この事項に関しては、健康食品を生産・品質する際の情報を記載します。どのように食品を製造しているのか、また食品の管理体制はどのようになっているのかなどを記載していきます。 生産面に関しては、食品を生産している工場の衛生管理や生産体制、規格外の食品の出荷防止など、届出を行う健康食品の生産体制を記載いたします。
品質面では、実際に製造、出荷された食品の品質に変化、違いがないかを記載します。実際に製造された食品を、第三者機関に定性試験や定量試験を行ってもらい、実際に申請されている量の機能性関与成分が含まれているか、また申請した食品に使用されている成分以外の成分が混入されていないかなど、申請した通りの食品であるかを確認し、記載します。

2.4.健康被害の情報収集に係る事項

この事項に関しては、販売する健康食品で健康被害が出ないように、あるいは出てしまった際の体制を記載します。健康被害への対応や健康被害情報の収集・評価、評価した情報を基になぜ健康被害が起こったのか、健康被害について評価します。また、これらの健康被害情報を消費者庁や各都道府県に連絡します。これらの体制をこの事項で記載し提出します。
安全性を確認したからと言って、健康被害が出ないわけではありません。安全性情報で調べきれない情報や、その人独自の原因の可能性があります。そのため、この事項は健康食品を取り扱う上ではとても重要になってきます。

2.5.機能性に係る事項

この事項に関しては、申請する健康食品にどのような機能性があるのかを科学的根拠を基に記載します。この事項での科学的根拠にあたる資料と言うのが、最終製品 (申請する食品) を用いたヒト臨床試験か、最終製品または機能性関与成分に関する研究レビューの2種類があります。

2.5.1.最終製品を用いたヒト臨床試験の資料を用いた場合

ヒト臨床試験の結果を機能性の資料とする場合、UMIN-CTR(UMIN臨床試験登録システム)に試験を登録や、試験設計、試験実施後にジャーナルに投稿、掲載など、注意しないといけないことが多くあります。そのため、臨床試験を行う前の試験計画段階から、届出を見据えた計画を立てる必要があります。また、申請の際に一般消費者にも分かりやすいように1000字以内で抄録も作成する必要もあります。

2.5.2.機能性関与成分に関する研究レビューを用いた場合

研究レビューを機能性資料とする場合、定量的研究レビュー (メタアナリシス) を実施し、機能性の評価を行う必要があります。またメタアナリシスで採用する文献については、公表されている査読付きの文献、未公表文献についても収集し精査する必要があります。海外の文献を参照する場合には、外装性も考慮して精査する事が求められます。また研究レビューの方でも、一般消費者にも分かりやすいように1000字以内で抄録も作成する必要があります。

2.6.表示のあり方及び情報開示の在り方に係る事項

この事項では、申請する食品の容器包装に関することを記載する事項です。例えば、申請する機能性以外の機能性を表示して販売した場合や、誇大広告などは、たとえ機能性表示で申請が通ったからと言っても法律に抵触してしまいます。そのため、申請段階で、どのような容器、包装で販売するのか、パッケージにはどのように記載するのかなどを確認し、申請する必要があります。また、パッケージなどの記載については、「一般消費者が分かる」ことを念頭に置き、作成することが求められます。

2.7.届出の在り方に係る事項

この事項では、届出を行う際の基本情報を記入します。申請する企業情報や食品概要、発売に係ることなどを記載します。これまでの事項で記載した内容も含めた情報をまとめて記載する事項になります。

3.まとめ

機能性表示食品の届出を行う際、様々な内容が必要になります。機能性の評価をはじめとして、安全性の評価、製造、品質、パッケージなど多くのことを申請しないといけません。上記で記載した内容は簡単な概略でしかないため、すべての機能性素材がこのように当てはまるわけではありません。そのため、届出を行う場合は、参考文献にある「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」を確認して行っていただけばと思います。

機能性表示食品の届出等に関するガイドライン

4.オルトメディコの行政対応支援事業

弊社、株式会社オルトメディコは、これまでに数多くのヒト臨床試験を行ってきており、現在UMIN-CTRの臨床試験登録数はNo.1でございます。その経験を活かし、臨床論文や研究レビューの作成、機能性表示食品の届出を見越したヒト臨床試験なども請け負っております。また、弁護士の先生や行政書士の先生方とチームを組み、お客様からご要望の多かった機能性表示食品制度の届出含め、行政対応できるサポートも整えております。何かわからないことや疑問点などございましたら、お気軽にお問合せください。

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5.脚注