こんにちは、臨床学術課の小山です。
さて、今年は大寒波到来の冬のようです。先月24~26日は10年に一度の大寒波で、夜には東京や横浜でもマイナスを記録しましたし、関東北部を中心に大雪となりました。
今年の冬は、ラニーニャ現象が見られていると言われています。どうやらそれが記録的な寒波を引き起こしている原因のようです。
ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低い状態が続く現象を言います。
環境問題と直結している感があり、この寒さを知った今は、やはりSDGsの取り組みは重要なんだと改めて感じました。
Question131
今回は、安全性試験の考え方についてのクイズです。
「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」 (令和4年4月1日一部改正)には、『科学的に十分に説明できる場合は、過剰摂取試験の実施は不要とする。』(p.15)とあります。
過剰摂取試験を実施しなくても良いケースは、次の(A)~(C)の中でどのケースが最も適切でしょうか?
(A) 8週間の摂取期間における有効性の臨床試験を実施している場合
(B) 当該機能性関与成分を含む植物エキスの安全性試験の論文がある場合
(C) 喫食実績がある場合
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(C)
「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」 (令和4年4月1日一部改正) の2.安全性試験の実施による評価の(2)臨床試験(ヒト試験)の①試験方法(p.15)には、次のように記載されています。
『過剰摂取時及び長期摂取時における安全性を確認するための試験を実施する。ただし、科学的に十分に説明できる場合は、過剰摂取試験の実施は不要とする。なお、過剰摂取試験を実施しないことに関する科学的な説明については、別紙様式(Ⅱ)-1⑦に記載する。』
そして、②留意事項では、その記載事項を列挙しているだけです。
通常、既届出食品情報には無い機能性関与成分で、それを含む食品の場合、安全性評価で悩むことがあります。
さて、答えは (C) と簡単に答えられますが、過剰摂取試験の実施不要と、現時点で明確に言えるのは、やはり、喫食実績があるかどうか、ということになります。
また、(A) と (B)についてなぜ説明が困難なのかを考えることで、安全性評価について整理できると思われます。
(A) については、機能性表示食品の届出において科学的根拠となる最終製品の有効性(機能性)の臨床試験成績が重要となりますが、同時に安全性評価も実施されている場合があります。つまり、そのまま長期摂取試験と見なすことができます。ただし、当該試験食品(=届出食品)の摂取期間が12週間未満の場合には、『原則として別途、安全性試験として12週間以上の長期摂取試験を実施する』(別添2 特定保健用食品申請に係る申請書作成上の留意事項、p16 )とあります。したがって、この場合は8週間の摂取期間ですので、長期摂取安全性試験の必要があるため、過剰摂取試験を不要とする説明は困難だと考えられます。ちなみに過剰摂取試験は、原則として4週間以上の摂取期間を設定するとあります。
また、(B) については、当該機能性関与成分に関して精製単離した成分の有効性の論文ではない点が問題となります。植物エキスの場合、本届出食品との同等性が問題となり、それを証明しない限り、当該論文の安全性のデータを採用できないことになります。ここでは、その同等性が不明ですので、当該論文で以て過剰摂取試験を不要とする説明は困難であろうと思われます。
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いかがでしたでしょうか?
次回のクイズもお楽しみに!
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