前回の届出Newsに引き続き、今回もカナダ保健省健康製品食品局が、申請された健康食品のヘルスクレームに対して適切な科学的根拠があるとした理由等について、ご紹介させていただきます。

先週のメルマガでは、「大豆タンパク質によるコレステロール値の低下に関する科学的根拠」の科学的根拠部分について紹介いたしました。今回は、「大豆タンパク質によるコレステロール値の低下に関する科学的根拠」の食品のラベルの表示方法などをご紹介いたします。
機能性表示食品のLDLコレステロールの低下については【第16回届出News】、飽和脂肪酸およびコレステロールと冠動脈性心疾患については【第41回届出News】、大豆タンパク質と冠動脈性心疾患については【第50回届出News】、多糖類複合体によるコレステロール値の低下に関する科学的根拠については【第55回届出News】 にてご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

大豆タンパク質によるコレステロール値の低下に関する科学的根拠1)

ヘルスクレームの記載について

以下には、ヘルスクレームの記載方法、表示方法などの例を記載しました。

A) 主要な記載

●記載例

  • ① 豆腐150 gで、コレステロール値の低下作用のある大豆タンパク質の1日摂取量の70%を摂取できます。
  • ② 濃縮豆乳250 mL (1カップ) で、コレステロール値の低下作用のある大豆タンパク質の1日摂取量の30%を摂取できます。

1日摂取量は、25 gの大豆タンパク質であるとしています。この摂取量は、コレステロール値の低下に役立つことが示されている大豆タンパク質の量に関する利用可能な証拠に基づいています。この表記では、1食分の大豆タンパク質の1日摂取量に対する割合は、5%ごとに記載を行い、それに合わせた数値の切り上げまたは切り下げを行うこととしています。

B) 追加の記載

  • ●大豆タンパク質はコレステロール値の低下を助ける。
  • ●高値のコレステロールは、心血管疾患の危険因子である。
  • ●大豆タンパク質は、心血管疾患の危険因子であるコレステロール値の低下を助ける。

上記の追加の記載は、主要の記載の2倍までの大きさと、目立つ文字で主要の記載の隣に記載することができるとしています。

ヘルスクレームを有する食品としての状態

下記の基準が本ヘルスクレームを有するすべての食品に適応されるとしています。

  • A) 以下の分量あたり、6 g以上の大豆たんぱく質を含有する。
    • 1. 基準量および記載されたサイズの1食分
    • 2. 食品が包装食品、栄養補助食品、食事代替品である場合は記載されたサイズの1食分
  • B) 以下の分量あたり、ビタミンまたはミネラルの推奨栄養摂取重量の少なくとも10%を含有する。
    • 1. 基準量および規定サイズの1食分
    • 2. 食品が包装食品、栄養補助食品、食事代替品である場合は記載されたサイズの1食分
  • C) 食品100 gあたり、コレステロールの含有量が100 mg以下である。
  • D) アルコール含有量が0.5%以下である。
  • E) ナトリウム含有量が以下の基準を満たす。
    • 1. 基準量および記載サイズの1食あたり、1日摂取量 (DV: daily value) の15%未満 (基準量が30 gまたは30 mL以下の場合は50 gあたり、DVの15%未満)。
    • 2. 栄養補助食品または食事代替品の場合は、記載されたサイズの1食分あたり、DVの15%未満。
    • 3. 包装食品の場合は、記載されたサイズの1食分あたり、DVの25%未満。
  • F) 「飽和脂肪酸を含まない」または「飽和脂肪酸が少ない」という条件を満たしている。
  • G) 豆乳であれば、栄養強化植物性飲料の条件を満たしている (カルシウムやビタミンDなの必須栄養素の重要な供給源である牛乳の代替食品として豆乳を摂取することがでるため、豆乳の栄養成分は、必須栄養素について牛乳と類似する必要があるとしています。栄養強化植物性飲料に関する要件については、「Interim Marketing Authorization to permit the optional addition of vitamins and mineral nutrients to plant-based beverages2)」に参照することしています。)。

これらの条件に加え、食品医薬品規則のB.01.305(1)に従い、タンパク質に関する表示を行う食品は、B.01.513に記載されている「タンパク質の源」という要件も満たす必要があるとしています。要件としては、その食品の1日あたりの妥当な摂取量(RDI)は、タンパク質の評価が20以上満たすこととしています。

また、上記以外の食品である場合は、基準量を使用して、そのタンパク質評価を計算することができるとしています。豆乳については、豆乳が牛乳の代替品として使用されていることを考慮して、牛乳のRDIを使用してタンパク質評価を算出することができるとしています。栄養補助食品や食事代替品については、記載されている1食あたりの量を使用してタンパク質評価することが出来るとしています。

他の食品の代替品となる食品の規制要件
大豆食品を含め、他の食品の代替品として表示される食品は、該当する食品医薬品規則の特定の要件を満たさなければならないと述べていいます。例えば、代替肉製品と代替鶏肉製品は、それぞれ食品医薬品規則のB.14.085とB.22.029に定められた要件を満たさなければならないとしています。

弊社では、アウトカムの設定に関する不安や悩みなどを出来る限り解消するため、過去の知見や関連する文献を網羅的に調査し、より質の高い臨床試験を目指して適切なプロトコルをご提案します。さらに、消費者庁への届出代行や消費者庁からの問い合わせへの対応など、臨床試験から受理後の関連業務までの「トータルサポート」に取り組んでおりますので、ぜひお気軽にご相談ください。引き続き、皆様にご満足いただけるような情報をお伝えしていきますので、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

【参考文献】
  • Summary of Health Canada’s Assessment of a Health Claim about Soy Protein and Cholesterol Lowering [Internet]. [cited 2021 Sep 8]. Available from: https://www.canada.ca/content/dam/hc-sc/migration/hc-sc/fn-an/alt_formats/pdf/label-etiquet/claims-reclam/assess-evalu/Sum-Assessment-Soy-April-2015-eng.pdf
  • 2) Interim Marketing Authorization to permit the optional addition of vitamins and mineral nutrients to plant-based beverages We have archived this page and will not be updating it . We have archived this page and will not be updating it . Governm [Internet]. [cited 2021 Sep 8]. Available from: https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/legislation-guidelines/interim-marketing-authorizations/permit-optional-addition-vitamins-mineral-nutrients-plant-based-beverages.html

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