1 概要

食後血糖値の変化を評価する方法として、血糖上昇曲線下面積 (IAUC) があります。本稿では、IAUCについて解説したいと思います。

2 IAUCとは

IAUCとは、incremental Area Under the Curveの略で、血糖値増加量の面積を表しています。このため、血糖値の上昇を比較する指標として使用されており、IAUCが低いということは、糖の吸収が抑えられたことを示しています。

3 計算例

表1. 各時間における血糖値の実測値および変化量

例として、上記のような測定結果が得られたとします。まず、得られた測定結果に対して、各時間における摂取前からの変化量を求めます。この摂取前からの変化量をグラフ化したものが図1となっており、色がついている①、②、③、⑥の面積を合計したものがIAUCとなります。

※以下計算の詳細になります。
①の面積は、三角形の面積の公式より以下のように求めることができます。

②の面積は、台形の面積の公式より以下のように求めることができます。

③の面積は、まず、③と④が相似であることを利用して、t1を求める必要があります。
③と④が相似より

と式を組むことができ、t1について解くと

になります。
後は、三角形の面積の公式に当てはめれば、

になります。
よって③の面積は、以下の通りとなります。

⑥の面積は、まず、⑤と⑥が相似であることを利用して、t2を求める必要があります。
⑤と⑥が相似より

と式を組むことができ、t2について解くと

になります。
後は、三角形の面積の公式に当てはめれば、

になります。
よって⑥の面積は、以下の通りとなります。

以上よりIAUCは、以下の通りとなります。

4 参考文献

  • ISO 26642:2010.Food products— Determination of the glycaemic index (GI) and recommendation for food classification.

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