1 概要
臨床試験のデザインや解析は、生物統計家の貢献が不可欠です。統計学的留意事項は原則的にプロトコルに記載しておくことが望ましいとされていますが、統計解析計画 (Statistical Analysis Plan; SAP) の記載に関してはICH E9やSPIRITといった標準的なプロトコル作成のガイドラインの間でも異なっている点が見られ、結果として試験ごとに統一されていないケースが多いというのが現状です。本稿は、2017年に公開された「Guidelines for the Content of Statistical Analysis Plans in Clinical Trials」の内容に基づき、臨床試験の統計関連業務に携わる全ての方に向けて統計解析報告書記述のヒントをまとめます。
2 統計ソフト
本稿では、「Guidelines for the Content of Statistical Analysis Plans in Clinical Trials」の「統計ソフト (Statistical software)」についてまとめます。
2.1 記載内容
「Guidelines for the Content of Statistical Analysis Plans in Clinical Trials」には統計ソフトについて以下のような記述がなされています。
Statistical software | 31 | Details of statistical packages to be used to carry out analyses |
---|---|---|
統計ソフト | 31 | 解析に用いる統計ソフトの詳細 |
2.2 統計ソフトを記載する
統計解析報告書には、解析に使用した統計ソフトを明記する必要があります。使用したソフト名を記載することで、信頼できるソフトかどうかを確認できます。また、統計ソフトは、使用するバージョンが異なるだけで解析結果が変わることもあるため、ソフト名だけではなく、ソフトのバージョンも示すことが望ましいとされています。
3 記載例
記載例は以下の通りです。
解析には、Stateバージョン12を使用する。必要に応じてR、SAS、REALCOMなどの他のパッケージを使用する。
4 参考文献
- Gamble C, Krishan A, Stocken D, Lewis S, Juszczak E, Doré C, Williamson PR, Altman DG, Montgomery A, Lim P, Berlin J, Senn S, Day S, Barbachano Y, Loder E. Guidelines for the Content of Statistical Analysis Plans in Clinical Trials. JAMA. 2017; 318 (23): 2337-43. (PMID: 29260229)
- 折笠秀樹, 訳. 臨床試験のための統計解析計画書の内容に関するガイドラインで示された「記載例」の紹介. 薬理と治療. 2018; 46 (4): 641-8.
- 折笠秀樹, 論文作成における統計解析に関する留意点. 薬理と治療. 2019; 47 (8): 1343-1346
ヒト臨床試験 (ヒト試験) で得られる結果は、様々な誤差を含んでいます。この誤差を小さくすることで介入効果を増大させることができます。オルトメディコは、多分野の専門家を有するため、様々なアプローチにより誤差を最小化する試験運営が可能です。引き続き、皆様にご満足いただけるような高品質なヒト試験を提供させていただきますので、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
- ★問い合わせ★
-
-
①臨床試験のお見積りに関するお問い合わせ
HP: https://orthomedico.jp/contact.html
Mail: info@orthomedico.jp -
②臨床試験に参加したい方はコチラ
HP: https://www.go106.jp/ -
③機能性表示食品の届け出に関するお問い合わせ
HP: https://届出.com/
Mail: planning-department@orthomedico.jp -
④栄養計算に関するお問い合わせ
HP: https://www.cand.life/
Mail: info@CAND.life -
⑤研究会の開催に関するお問い合わせ
HP: https://はじめての研究会.jp/
Mail: info@hajiken.jp
-
①臨床試験のお見積りに関するお問い合わせ