シリーズ『おしえて論文作成』では、論文作成における留意点を紹介していきます。
教えて論文作成 Part 2-1では、文の構造における主語の位置に着目し、論文作成のポイントをご紹介します。

目次

1.前回のおさらい

前回は「投稿先を選ぼう」というテーマで、機能性表示食品の届出に用いる科学的根拠としてふさわしい論文の投稿先の選定や執筆の方針についてお話しました。

★前回のコラムは、こちら↓★
https://届出.com/staff-blog/2022.11.30.1676/

論文として公表され、広く研究成果が活用されるためには、だれにでも快適に読み進められるよう、文章構成や英語のミスを減らし、わかりやすい原稿を作成することが重要となってきますので、今回からは文章構成や英文作成のポイントをご紹介していきます。

2.基本的な語順

まずは、英語の基本的な語順についてです。
中学校で教わった内容かと思いますが、英語では最初に主語、次に動詞、続いて直接目的語、さらに間接目的語を並べることが原則となっております。

<Example ~基本的な語順~>

基本的な語順: 主語+動詞+目的語+間接目的語

下に示した2つの例文をご覧ください。

<Example ~思考を分断させるような配列はNG!~>

悪い例: The figure show, for each observation time, the average values of the blood glucose levels.

良い例: For each observation time, the figure show the average values of the blood glucose levels.

読者にとって重要な情報は太字で示した部分になりますが、悪い例では黄色の下線が引いてある関連情報の前に余計な文言が入り、読みづらくなっています。一方、良い例では、関連のある情報が近くに配置され、理解しやすくなるように修正されています。このように、文中の情報の配列を誤ると、読者に重要な情報が伝わらないおそれがありますので、注意しましょう。

3.主語の位置が重要!

文章を読むうえで、読者が最も注目する情報は主語ではないでしょうか。英語では主語は原則として動詞の前に置かなければなりません。主語の導入が遅れると、読者が主語を見逃してしまい、言いたいことが正しく伝わらない可能性があります。

悪い例では主語の前に補足説明を書いていますが、良い例では主語を先に書いているので、何についての話題なのかわかりやすくなっています。

<Example ~主語は動詞の前に置く~>

悪い例: Important parameters are conciseness and non-ambiguity.

良い例: Conciseness and non-ambiguity are important parameters.

ところで、皆様が文章やインターネットの検索結果を見る時、どのように目を動かしていますか?

紙面を左から右、上から下に見ている方が多いのではないかと思います。したがって、文の最初に重要な情報を置けば、読者に気づいてもらうことができ、文章の意味を正しく理解してもらえる可能性が上がります。

そのための工夫として、主語より前の部分を極力減らすことや削除すること、文の後半に移動させることなどの工夫が有効です。また、非人称代名詞のitで文章を始めると、真の主語の導入が遅れるため、使用はなるべく避けた方が良いでしょう。

<Point ~主語の導入を遅らせない~>

人は紙面を左から右、上から下に見るので、文の最初に重要な情報を配置する。

  • ① 主語より前の部分を削除 / 減らす
  • ② 主語より前の部分を文の後半に移動させる
  • ③ 非人称代名詞のitで始めることは避ける

4.主語と関連情報は離さない!

最後に、主語と関連情報の位置関係についてお話したいと思います。主語と関連情報は、互いに離れないようにすることで、思考が分断されるのを防ぐことができます。動詞に関しては、重要な情報を含んでいますので、主語の近くに置き、文の早い段階で導入することが大切です。

こちらの悪い例では、青色の下線が引いてある動詞の導入が遅いため、読者は重要な情報が出てくるまで長く待たされてしまいます。

<Example ~主語と動詞は離さない~>

悪い例: People with a high rate of intelligence, an unusual ability to resolve problems are employed by such companies.

良い例: Such companies employ people with a high rate of intelligence, an unusual ability to resolve problems.

また、主語と述語の間に語句を挿入すると、読者の思考が分断されてしまいます。挿入された情報を重要でないと判断し、大切な情報まで読み飛ばされてしまう可能性も出てきます。このように、文章はまとまりを考えて作成することが重要です。

<Example ~主語と述語の間に情報を挟まない~>

悪い例: This testing method, when it is possible, is useful because it allows …

良い例: When this testing method is possible, it allows us ….

最後に
次回は、引き続き、文章構成のポイントをご紹介していきます。
第2回の2回目は、語句の順番について解説します。