1 概要
臨床試験のデザインや解析は、生物統計家の貢献が不可欠です。統計学的留意事項は原則的にプロトコルに記載しておくことが望ましいとされていますが、統計解析計画 (Statistical Analysis Plan; SAP) の記載に関してはICH E9やSPIRITといった標準的なプロトコル作成のガイドラインの間でも異なっている点が見られ、結果として試験ごとに統一されていないケースが多いというのが現状です。本稿は、2017年に公開された「Guidelines for the Content of Statistical Analysis Plans in Clinical Trials」の内容に基づき、臨床試験の統計関連業務に携わる全ての方に向けて統計解析報告書記述のヒントをまとめます。
2 ベースラインの患者特性
本稿では、「Guidelines for the Content of Statistical Analysis Plans in Clinical Trials」の「ベースラインの患者特性 (Baseline patient characteristics)」についてまとめます。
2.1 記載内容
「Guidelines for the Content of Statistical Analysis Plans in Clinical Trials」にはベースラインの患者特性について以下のような記述がなされています。
Baseline patient characteristics | 25a | List of baseline characteristics to be summarized |
---|---|---|
25b |
Details of how baseline characteristics will be descriptively summarized |
|
ベースラインの患者特性 | 25a | 要約されるベースライン特性のリスト |
25b | ベースラインの特性をどのように記述的に要約するかの詳細 |
2.2 ベースラインの患者特性を記載する
研究を開始する時点における対象者の年齢、性別、疾患などの背景因子や臨床特性のことをベースラインと呼びます。介入群と対照群のベースラインが同等でないとき、研究結果に交絡因子として影響を及ぼすことがあります。ベースラインを記述する際に最も効率的な表を用いることが望ましいです。また、表中には平均、標準偏差や有意確率を記載すると各群の偏りがあるかどうか判断しやすいです。
3 記載例
記載例は以下の通りです。
被験者のベースラインは性別、年齢、体重や・・・・・・を記載し、平均、標準偏差及び有意確率をstudentのt検定を用いて群間比較を行った。
4 参考文献
- Gamble C, Krishan A, Stocken D, Lewis S, Juszczak E, Doré C, Williamson PR, Altman DG, Montgomery A, Lim P, Berlin J, Senn S, Day S, Barbachano Y, Loder E. Guidelines for the Content of Statistical Analysis Plans in Clinical Trials. JAMA. 2017; 318 (23): 2337-43. (PMID: 29260229)
ヒト臨床試験 (ヒト試験) で得られる結果は、様々な誤差を含んでいます。この誤差を小さくすることで介入効果を増大させることができます。オルトメディコは、多分野の専門家を有するため、様々なアプローチにより誤差を最小化する試験運営が可能です。引き続き、皆様にご満足いただけるような高品質なヒト試験を提供させていただきますので、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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